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硝酸低減の難しさ

− 散布による代謝活性化と再吸収 −

 この項目では、前項で増収と高抗酸化活性をもたらした葉面散布剤の作用を細かく説明します。

 糖蜜の発酵液にマグネシウムイオンと水溶性のアミノ酸およびペプチドを富ませた水溶液をA液とします。このA液の500倍希釈水溶液を12月ハウス栽培バジルに葉面散布した際、その葉汁中に含まれる硝酸イオン、リン酸イオン、マグネシウムイオンの濃度変化を上図(上のグラフ)に示しています。対照区(下のグラフ)は、水のみの散布区です。

 水のみの散布を行った(下のグラフ)対照区では、散布後から8日後まで、硝酸、リン酸、マグネシウムイオン濃度の大きな変動は認められません。これに対して、A液を散布した(上のグラフ)方は、散布後三日目で各イオン濃度が最低となり、8日後には元のレベルもしくはそれ以上に戻っています。

 A液の植物体内への浸透でチッ素などの代謝が活発化し、硝酸値は一時的に低下してます。しかし、代謝により葉で不足した硝酸濃度を補うために、根を通じて再び硝酸が土壌から吸い込まれて、最終的には散布前よりも体内硝酸値が高まる結果となってます。

 代謝活性化により低下した養分が必ず補われて、元の状態、もしくはそれ以上に回復してしまう現象は、生きている以上避けることはできません。弊社以外からも硝酸低減機能を目玉にした葉面散布剤が市販されていますが、恐らく、同じ問題を抱えていると考えられます。

 農作物生産者にとっては、低硝酸化した農作物を出荷するために、残留硝酸値が最小になっている時期を予測して、可食部位を培地から抜き取り、または切断し市場に出荷しなければなりません。しかし、品種、土壌の水分、温度や日照など、多様な条件で左右される硝酸値が最も低下する時間とその低硝酸状態を維持する時間の正確な予測は、極めて困難でしょう。

 A液などは、根からの硝酸の取り込み速度以上に、体内での硝酸の代謝速度を促進させる事が一定期間は可能です。しかし、薬効が薄れると不足した養分が土壌から再吸収されます。植物が生きているために発生する、再吸収の問題解決は、これまで開発された全ての葉面散布型の硝酸低減液に対して共通する本質であると我々は理解してます。

 硝酸値を低下させるために「余分な肥料を施すな」と声高に言われますが、生産性を上げなければならない作物の生産現場では、無理な注文でしょう。増収と同時の低硝酸化が必要です。この要求に応える形で、植物の葉の硝酸値を強制的に低減させる葉面散布液が開発されています。しかし、上図のデータに示すとおり、確かに、ある条件下ではその特性を発揮し、硝酸値を低下させる事が可能ですが、千変万化の栽培条件にある圃場の全てに対し、常時、一定の硝酸低減化は困難です。

 現在、弊社は、硝酸低減剤の性能向上のために模索し続けているところです。

記述者:大分大学工学部、石川雄一

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