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圃場データ
上の表は、宮崎市近郊農家のハウスキュウリへ散布した結果の一部をまとめています。糖蜜の発酵液にマグネシウムイオンと水溶性のアミノ酸およびペプチドを富ませた水溶液を散布しています。3月の半ばから5月の下旬までの作付けです。全重量の項目は、JAへの一反あたりの出荷総量です。いつもの年だと 80 から 90 kg 前後の出荷量があるハウスですが、この年の平均出荷量は、50 kg以下とかんばしくありません。4/9 以前の植物の状態ですが、決して育ちが悪い状況ではありません。むしろ、その逆で、樹が雄々しく茂って、葉は真っ黒で、いわゆるツルボケ状態にあり、花芽が付いては落花している状態でした。この状況の葉へ、4/9 と 23日に 1000 倍液の散布したところ、散布三日目から黒い葉色が薄くなり、樹姿が変化し、平均出荷量が110 kgと倍増しています。流れていた花芽が効果的に結実した結果と考えています。下の表をご覧ください。
散布区と無散布区のキュウリの葉と、その土壌を分析しました。上述しましたが、散布により急激に収量増加となっています。この時のキュウリの葉の硝酸値を分析しますと、葉の硝酸値が1260ppmから270ppmへと約千ppmほど低下しています。これが、黒い葉色の退色原因です。また、葉に貯まった未消化のだぶついた硝酸イオンが代謝消化され、タンパク質として実に転流した結果、生産量の倍増につながっています。散布による葉の硝酸値の低下に伴い、肉眼で観察できるほど樹の状態が変化し、さらに、実の収量が倍増しています。また、葉だけでなく実の硝酸値も低下してます。ただ、実の硝酸濃度は、高くても数百ppm程度で、数千ppmにおよぶ葉の硝酸値ほど問題はならないと思います。果菜類の硝酸値のコントロールは、収量と関係していると理解すべきです。 散布により変化するのは、樹の状態や葉の状態だけではありません。土壌に含まれる硝酸イオン量も119ppmから8ppmへと激減します。また、1.02mS/cmと少し高すぎるEC値も0.23mS/cmまで低下します。イオン性の肥料成分が土壌からキュウリに吸い込まれ、倍増した実に転嫁したことが歴然としています。このように、散布は、貪欲に土壌からの吸肥能力を高め、土壌のEC値の低減に貢献します。従って、EC値が0.1mS/cmといった肥料不足の状態で本剤を散布すると窒素飢餓状態に陥り、葉の黄色化などを認めます。十分な肥料供与の元で、散布は行ってください。 樹がしっかり育っているため、体内のだぶついている硝酸イオンを代謝させるだけで、増収に結び付いています。この時、硝酸イオンはアミノ酸を経てタンパク質に変化しますので、植物の体は屈強に頑丈になります。この元気は、植物の体内に含まれる抗酸化活性物質の増加とも関係しています。下のバジルでの試験結果をまとめた表をご覧ください。
上のデータは、大分県の冬場のハウス栽培バジルの抗酸化活性に与える散布効果をまとめたものです。抗酸化活性物質としてビタミンCとポリフェノール(没食子酸換算量)を定量しています。図と表にまとめています。図の見方ですが、縦軸が高いほど、上にあるほどポリフェノール含有量が高い事を意味しています。二回の散布でポリフェノールが上昇している事がわかります。その結果を表にまとめています。 四つの散布区、全て、対照区よりもビタミンC値とポリフェノール値は高く出ています。この時、リン量とカリ量も散布により倍増してます。窒素の代謝だけでなく、リンとカリの吸収も促されている事が明らかです。これに加えて、アンモニア量も増加しています。根は、アンモニアでなく硝酸を吸い込みます。散布によるアンモニアの増加は、植物の体内で硝酸イオンがアンモニアに効率良く還元(代謝)されている事を意味してます。 表の一番右の欄は、葉面積を計測したものです。20葉の平均値です。散布区の葉が一回り大きいことを示しています。バジルの場合、重量売りですので、散布により少ない葉数で収益が上がることを意味します。
散布による生育促進、増収効果は、大根などの根菜、サラダ菜、ほうれん草などの葉菜、そばなどの種子を活用する作物でも認められます。上の表は、北海道千歳にあるキューサイファーム千歳(泉原社長)の有機認証ケールに対して試験されたものです。時期は、冬将軍が来る直前の、最終収穫期での試験結果です。 収量は、一反の面積から収穫されたケールの総重量を計測されたものです。よくある、猫の額程度の試験面積の収量を比例計算で反当たりに換算した値ではありません。三回の散布により、90 kg ほどの増収効果が確認できます。この増収効果は、他の有機認証の葉面散布剤に負けてはおりません。また、一番最後の散布後の硝酸値も、十分ではありませんが、弊社の散布剤が、硝酸値を低下させています。 記述者:大分大学工学部、石川雄一 |
Produced by Oita Univ. ISHIKAWA Lab. A. Yanagisako